めぐる庭への道のり。展示会の私的な作り方。その1。
個展を開くとき、何をどうするかは、特に決まった方法なんてあるはずもなく。
美術の学校などでは、教えてもらえたりするのでしょうか。
わたしは全くの独学で、素人からのスタートでしたので、はじめはどうすればいいのか右も左もわからず、お店さまやギャラリーさまにご迷惑をおかけしっぱなしでした。
いろいろな展示会はありますが、こちらでは聖路加での個展への道のりをお話したいと思います。
来春の"アーモンドの花と、めぐる庭"は、先日終了した"望"の画廊での在廊中の手が空いた時に、ノートにイメージの欠片を書き留めて、モチーフを探したり、テーマは何だろうと考えていました。
会場にいるから、とてもイマジネーションがわいて、自然と導かれるように決まってゆきました。
決まったことは一度整理して、いいかなと思えたら言葉にすることがとても大事です。
具体的には来廊して下さったお客さまにお話したり、ゲストの作家さん方、そしてDMのデザイナーさんへ伝えます。
言葉にすることで、確信と覚悟みたいなもの…腹が決まるというか。
DMに使う絵はもちろん1番はじめに描きます。
それからすぐに創作に移れるわけではなく、少しずつ自分のなかで世界観を作り出してゆく作業を重ねます。
そこでわたしにとって大事なのが、イメージ画像作りです。
その画像がそのまま展示会へと結び付くこともあれば、
こんな方向なのね、こっちね!っていう風に引っ張ってもらえることもあるのです。
今日は、アーモンドの花と花びらを描きました。
これを使ってコラージュを作ろうと思い、まずは、スマートフォン上で画像を作ることにしました。
この画像で、はがきサイズや掲示物用の印刷物を作ります。
もちろんこうした画像だけでなく、スケッチしたり詩を探して書き出したり、図書館で本を借りたりします。
とにかく思い付くかぎりのいろいろなことを、展示へとつなげるためにします。
ところがわたしの性格上、前もって計画して制作をしていても、会期が近くなると気持ちが変わってしまうことがよくあります。
なので、メインとなる額絵はあまり早くから取りかからないようにしています。
こうしたぼんやりとした道のりなのですが、実務的な細々としたこと、こなさねばならないこと、同時進行せねばならないこともたくさんあります。
中でも本当に1番先に決めないとならないことは、DMのことです。
DMは、皆さんに展示会のことを知ってもらう、ご案内状です。
とてもとても大切なもので、SNSで告知が出来る今となっても、紙に印刷してお配りすることは、きっとずっと無くならないと思います。
DMは最低でも会期のひと月前には、皆さんの元へお届け出来ていることが理想です。
わたしのイメージを伝えるため、記載事項を誤りなくお願いするため、信頼するデザイナーさんとのやり取りを頻繁に行います。
いつも聖路加の個展のDMを担当して下さっているデザイナーさんは、わたしの作品をさらに深く掘り下げては、想像のずっと上を行くデザインを作ってくれ、それに刺激を受けてわたしも表現の幅を広げることが出来るので、なんだか共同作業をさせてもらってる気持ちになるのです。
個展は会場探し、日程決め、創作、宣伝、会計、事務作業、などなど、すべてをひとりで何も無いところから立ち上げ、進めてゆかなければならない気がしてしまうけど、
実はひとりでは出来るはずもないものと、いつも実感します。
聖路加画廊では、せっかくなら、病院のなかでもギャラリーに行った気持ちになれる展覧会にしたいと心がけています。
それが出来ているかわからないし、自信は無いけれど。
少しずつ歩んでいく、めぐる庭への道。
今はまだここまで。
次回はどこまで進んでいるでしょうか。
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